第1回　＜本の構造と形態について＞　担当　神山　夕佳

初級編に続き、いよいよ中級編が始まりました。
あなたの周りにある本はどんな構造や形態をしているのでしょう。
修理する際にはもちろんのこと、普段の本の扱いにおいても、
本の構造や形態について知っていることで、役立つことが沢山あります。現在、私達の周りにある本はほとんどが洋装本。
今回は、そんな洋装本の説明をします。

● まずはハードカバー（上製本）と呼ばれる本を例に、説明していきましょう。
	ハードカバーとは、左の写真の単行本のような、硬い表紙の本のことをいいます。
	背の形を見てみましょう… 左は丸背、右は角背。
では、どのように綴じられているのでしょうか。本を開いてみてください。
	←左の写真のように折丁の真中に糸が通っていたら… 糸を使った綴じ方、糸かがり綴じです。
通っていなければ… 接着剤で綴じられた無線綴じです。綴じの際に糸や針金は使いません。接着剤を浸透しやするために背の断面にいくつか切れこみを入れ、貼り固められています。（ソフトカバー（後で説明します）の仲間ですが、文庫本や電話帳なども無線綴じです。）

● 次はソフトカバー（並製本）を使って説明していきたいと思います。
	ソフトカバーとは、文庫本や雑誌のような、折り曲げることの出来る薄い表紙の本のことをいいます。では、ソフトカバーでよく見かける綴じ方を紹介しましょう。
↓下の写真は中綴じ。中央に針金などを通してとめたものです。週刊誌やファッション雑誌などに見かけます。

↓こちらは平綴じ。背に近いところを針金などでとめてあります。

一見わかりにくい本が多いですが　中身は針金でとめられています。